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日夜浮かぶの翻訳雑感

魯迅の翻訳と訳者の雑感 大連、京都の随想など

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誓いの呪文

誓いの呪文
 「天誅地滅、男盗女娼」(天地神明に誓っての意味だが、男は人の女を盗み、
女は娼婦というのは、この世はすべてそうだとのごろ合わせか、ロクデナシの意)
は中国人が良く使う誓いの呪文で、大抵は詩に云う、子曰く:と同じだ。
 今日の宣誓は「敵を殺すことを誓い、死ぬまで抵抗する事を誓う、…を誓う」で、
どうも以前の呪文は使わなくなったようだ。
 だが、その誓いの中身は同じで、おいそれと信じるわけにはゆかぬ。
彼は天が彼を誅し、地が彼を滅したりなどしないことをはっきり知っている。
今や、ニンジンすらも「科学化」し、電気を含むようになったのだから、
「天地」も科学化せずにはおられまい!
男は盗み、女は娼婦については、ただ単に無害であるのみならず、有益であり:
男が盗むのは――住民から巻き上げ、女は娼婦は――閨縁で役人になる事ができる。
 というと、古い友人が言う:君の「盗」と「娼」の解釈は昔の意味と違っている、と。
私は答える――君、今どんな時代か知っているだろう!
今や盗もモダンになり、娼もモダンに!だから誓いの呪文もモダンになり宣誓になったの。
     2月9日
 
訳者雑感:日高市の巾着田を見に出かけた。その後「高麗神社」に詣でた。
神社名を表す銘板に高句麗の句の字が高麗の2字の間に小さな字で書かれていた。
高麗(こま)と日本語で呼ばれるが、土地の人にはあくまで「高句麗」なのだろう。
その鳥居の前と駅の前に巨大な二つのトーテムが建てられていて、
「天下大将軍」「地下女将軍」とあり、どういう意味かを問うたら、「魔除け、厄除け」
の呪文のようなものの由。天下大将軍の御加護でというのは日本でも使われるが、
地下の女将軍というのは日本では余り使われない言葉だ。
天誅地滅、というのは日本語でも意味が判るが、男は人の女を盗み、女は娼婦だ、
というのは誓いの呪文で、日本人が取り入れなかった呪文のようだ。
中国朝鮮からいろんな文化言語を取り入れたが、取捨選択した先人の苦心が忍ばれる。
       2012/10/08訳
 

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