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日夜浮かぶの翻訳雑感

魯迅の翻訳と訳者の雑感 大連、京都の随想など

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空軍救国についての3つの願い

空軍救国についての3つの願い
 現在、色んな人々が各種の救国を声高に叫びだし、皆が突然愛国者になった様だ。
実はそうではない。もともとこうなので、このように救国しようとしてきたのだが、
今はそれを大声で叫び出したに過ぎない。
 銀行は貯蓄救国を説き、原稿売りは文学救国を説き、絵描きは美術救国を説き、
舞踊を愛す人は娯楽救国、更にタバコ会社は(抗日の)馬占山将軍牌のタバコを、
吸うことが救国の道でない事も無い、という。
 色々な救国は、以前から実行されて来たのと同様、今後も実行しようとし、
これは決して5分で終わるとも限らないだろう。
 只空軍救国は他とは異なるものがあり、刮目してみるべきだが、
その将来は予測しがたい。原因は主張している人たちの大抵が飛行家ではないからだ。
それで、我々はまず少しばかりの願を言ってもいいだあろう。
 去年の今頃、上海の新聞を見た人は、蘇州で一隊の飛行機が戦闘をしたことを、
忘れただろうか?後になって、他の飛行機は途中でみな「見失われ」、
編隊長の西洋人烈士の一機のみ残ったが、衆寡敵せず、日本の飛行機に撃墜された。
彼の母親はアメリカから遠路とんできて、痛哭し、幾つかの花輪を帯びて帰国した。
広州からも編隊が出発し、閨秀たちが詩詞を刺繍した短衣を戦士に贈り壮行した由だが、
残念ながら、今に至るも未着である。
 従って我々は防空隊成立前に2つの願望を明らかにすべきで――
1.ルートを明確に認識すること:
2.速く飛ぶこと:
 更に重要なことは、我々は今まさに「不抵抗」から「長期戦」に移っており、
「心理的抵抗」に入った段階では、実際はすぐには外国と戦争するとは限らず、
そうなると戦士はむずむずしてくるし、英雄もその武を使う場の無いのに苦しむ。
それで爆弾をひょっとして寸鉄身に帯びぬ人民の頭上に落としはしないか?
 だから更に戦々兢々としてもう一つの願望を表明せねばならなぬ――
3.人民を殺す勿れ!     
                                     2月3日

訳者雑感:
 尖閣問題で、米軍のオスプレイ配備がなし崩し的に行われ、本州の人々の中には、
オスプレイ配備で対中戦略が整った云々との肯定派が現れた。
 1930年代の上海も日本空軍への防備として、蘇州や広州に空軍を備えたようだ。
アメリカ人の編隊長の下での戦闘に破れ、飛行機は「行方不明」か「撃墜」された。
国民党政府は「不抵抗」「長期戦」「心理的抵抗」(不買運動など)を実行して、
実戦は極力避けられたが、武を使うところの無くなった飛行士は誤爆せぬとも限らぬ。
今オスプレイが「人的操作ミス」で人民の頭上に落ちてこぬことを祈るばかりだ。
     2012/10/07訳
 
 
 

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