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日夜浮かぶの翻訳雑感

魯迅の翻訳と訳者の雑感 大連、京都の随想など

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66 生命の路

人類の滅亡は大変寂しく悲しいことと思っていた。が、数人の滅亡はなんら寂しくも悲しくもない。
 生命の路は進歩するもので、無限の精神という三角形の斜面を右肩上がりに進み、それを阻止することはできない。
 もちろん実に多くの問題や不和が人々を悩まし、それで自ら委縮堕落し、
退歩する例も甚だ多いのも事実だ。しかし生命は決してそんなことで後戻りはしない。どんな暗黒が思潮を妨げようと、どんな悲惨が社会を襲おうと、どんな悪が人道を冒涜しようと、人類の完全さを渇仰する潜在的な力は、こうした困難を踏み越えて前進する。
 生命は死を恐れず、死の前にしても笑って跳ね、死せる人々を乗り越えて前進する。
 路とは何か?道なきところを踏み固めてできたもの、荊棘を切り開いてできたもの。
 路は昔からあった。そして将来も永遠にあらねばならぬ。
 人類は決して寂莫にはならない。生命は進歩し、楽天であるから。
 
 昨日私は友人Lと話した。「一人の死は当人とその眷族にはたいへん悲惨なことだが、一村一鎮の人からみればなんでもない。一省、一国、一種族からみれば……」
 Lは顔をしかめて、「それはNatur(自然)のことで、人間のことじゃない。
君、注意しなければいけない」と言った。
 私は彼の言う事も一理あると思った。
           2010/10/02
訳者雑感:進化論と生命と路、この3つのキーワードが、めちゃくちゃな当時の中華民国で生き抜くための「楽天」であった。深刻な文章を書きながらも、つねに「楽天的」に物事を考える。現代中国の格差問題に始まるすべての問題も漢民族の伝統「楽天」が次の生命につなげ様としている。楽天が4億人から13億人に増え、死ぬ者の数を上回って来た。
 

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