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日夜浮かぶの翻訳雑感

魯迅の翻訳と訳者の雑感 大連、京都の随想など

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64 有無相通ず

 南北の官僚が戦争しても、南北の人民は仲良くし、そこで一心に「有無相通」ずるようにする。
 北方人は南方人が文弱すぎるとし、彼らにたくさんの拳法を教える。八卦拳、
太極拳、洪家、侠家、陰截腿、抱粧腿、…(沢山の拳法の名を挙げる)。
 南方人は北方人が余りに単細胞だと思い、沢山の文章を送る。…夢、…魂、
…痕、…影、何とか外史、秘史、…(沢山の文章の名を挙げる)。
 直隷山東の侠客、勇士たちよ! 諸公はかくもたくさんの筋力に富むから、神聖な労作をなしとげられる。
 江蘇江南の才子、名士たちよ! 諸公はかくもたくさんの文才に富み、何冊もの有用な新書を訳すことができる。
 われわれは、自己を改造し、他の人を保全し、互助の方法を考え出し、互いに害し合う局面を収めてはどうか!
     2010/10/01
 
訳者雑感:
 この当時、北の袁世凱と南の孫文に代表される北洋軍閥をバックにした政権と、南の(強い軍事力を持たない)孫文たちが、政権をめぐって戦っていた。
後に毛沢東が「鉄砲から政権が生まれる」と言ったように、南方の文弱な政府は、袁世凱の軍事力の前に屈してしまった。
 袁世凱の独裁と皇帝に即位するという動きに対して、南も南、雲南にもどった、蔡鍔将軍たちが北伐に立ちあがり、袁世凱は倒れた。
 蔡将軍の軍隊は北方の筋力に富む軍人たちから、戦争のやり方を教えてもらったのだろうか。その後広東に軍官学校ができ、蒋介石たちがそこから軍備を整え出した。しかし、魯迅の指摘するように、南方人はやはり文弱なのか、北方の軍閥の系統を支配下に置くことはかなわなかった。
 南方の江西省の井岡山根拠地から追い出された毛沢東と朱徳の軍は、長征の果てに、北方の延安に根拠地を設け、南方の文と北方の筋肉を有無相通ずる形で、蒋介石軍との戦争に勝利したのであろうか。魯迅はそこまで見越していたとは思えないが。
 
 
 

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