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日夜浮かぶの翻訳雑感

魯迅の翻訳と訳者の雑感 大連、京都の随想など

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「海上述林」上巻序言

「海上述林」上巻序言
 この巻は殆どすべて文学に関する論説である:只「現実」の五篇は雑誌「文学的遺産」に基づいて撰述されたもので、又二篇以外はすべて翻訳である。
 本集編輯時、底本にしたのは大抵は原稿だが:「セラフィモヴィッチの<鉄の  流れに>の序は排印本から採った。「十五年来の書籍版画と単行版画」一篇はすでに摘訳されており、又他の人が略改訂したようで、訳者の本意に会うかどうか分からないが、芸術に関してはこの一篇だけ故、淘汰しなかった。
「冷淡」の底本も排印本で、本来「ゴルキ―論文拾補」に入れるべきだが、残念ながら発見されたのが大変遅くなり、すでに排印されており、巻末に附すしかなかった。 
 文辞について明らかな筆の誤りや若干の脱字は改めたが:断続的な訳で人や地名の音訳は前後不同或いは当時参考書籍がなかったため、注釈に未詳の個所もあるが、今は均しく訂正せず、そのままとした。
 文稿の探し出しと校正事務など、多くの友人の協力を得ました。ここに謝意を表します。  
  1936年3月下旬 編者

訳者雑感:この編者は魯迅本人で、「海上述林」は魯迅の年下の友人の瞿秋白の原稿を元に彼が1935年6月に国民党当局に殺害された後、36年5月に出版されたと出版社注にある。魯迅も彼のために汗を流して彼の論説をまとめて出版したのだ。魯迅が彼を如何に大切に思っていたかが良く分かる。出版後半年もせずに魯迅も亡くなったのだが、魯迅は彼の翻訳した文学理論などを評価していたから、それを自分の死ぬ前にまとめておきたいとの強い願望があったのだろう。自分の作品を書きながら、病をおして原稿に目を通した彼の姿が目に浮かぶようだ。
 漱石も彼を慕ってくる年下の友人たちの作品を丁寧に読み、返事を書いている。その熱意と病気を患って早くこの世を去るというのは、なぜだろう。
     2014/11/26記

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