国を憂えて、自身のことは謀らぬ。
これは今年の2月に温首相が任期残り2年となったときにCNNの記者から
の質問に答えた時に、発された言葉だ。彼の目の前には山ほどの難題が
あり、農民問題、教育問題など、改革せねばならぬことが山ほどある。
国の行く先を憂えて、それを最優先に考えているので、自身のことなど
をあれこれ謀ろうなど一切考えていないということだ。
6月のはじめに、何とか不信任決議での「退任」という不名誉な処置は
避けるため、鳩山氏を否決派に誘い込み、自身の不名誉な退任だけは
避けることができた。その時の「口約束」は一定のめどがたったら、
若い人に引き継ぐ、だった。
それがここにきて、何かが吹っ切れたように、次から次へと法案を
出してきて、それを成立させるまで、自分で見届けたい、という。
国を憂えての切実な法案なのか、身の保全を謀るための法案なのか。
思いつきで唐突に出てきたものに何の説明もない。事前に幅広く関係者に打診して、それが国にとって緊急に必要なものかどうか、民意を
聞くこともない。憂国の首相は日本にはいないのか。
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