昨日北京ー上海間に新幹線(中国では高鉄という)が開通した。
温首相が北京南駅での開通式に参列し、1番列車に乗って21分後に北京と天津の間の駅で下車した。今朝のインターネットに彼が操縦席で運転士
とやりとりしている写真や、車内で乗客との会話している写真が掲載された。
天津で育った彼としても感慨ひとしおであろう。
彼がこれほど鉄道好きとは知らなかったが、勤務地であった甘粛省での
地質調査などでは、鉄道で何度も往復していたかもしれない。
突然戦争中にアメリカでつくられた「上海特急」という映画を思いだした。セットながら(アメリカでの)北京の市街地を出発した列車は、
両側に漢字の大看板や旗が掛った商業地に敷かれた、路面電車用のごとき
レールの上をゆっくり走る。線路を傍若無人に牛車が横切る。それが
通り過ぎるまで我慢づよく待つしかない。
上海に辿り着くまでに、軍閥間の抗争に巻き込まれて、列車強盗にあったような状態になる。主演はマレーネ・デートリッヒ。
70年で大変な変化である。
温首相は先のイギリスでの講演で、未来の中国の理想を語っている。
経済発展による豊かな生活、民主法治、文明発展、平等で平和な社会
香港のテレビの解説では、これらの西洋起源の理想は、何も西洋の専売
ではなく、人類の共通の知恵であるという。その未来に向かっての交通の
便として上海特急が十分機能することを願う。
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