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日夜浮かぶの翻訳雑感

魯迅の翻訳と訳者の雑感 大連、京都の随想など

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「カラシで救国を提唱」

{参考}  「カラシで救国を提唱」  王慈
 北方人の友人と天津の食堂に入った時、席に着くとボーイがやってきて:
「旦那、何を食べますか?」と訊く。
「鍋貼ル2個!」と友が純粋の北方音で注文。餃子とカラシ壺をもって来た。
 北方人の友は、鍋貼にカラシをたっぷりつけて、旨そうに口に放り込んだ。
それが私の好奇心を触発し、冒険でもするように鍋貼におもむろにカラシをつけ、
腹に入れたが、ただ舌先がいっとき感覚を失くしたように麻痺し、喉はしびれて、
気持ち悪くなり、まぶたから覚えず涙が湧き出て、とても苦しかった。
 北方人の友は私の様子に大笑し、私に告げて曰く:
北方人がカラシ好きなのは天性で、彼らは「メシとおかずは無くてもすむが、
カラシを食べずにはいられない」という主義の持ち主で:
カラシはアヘンのように中毒になっている!
北方人は幼いころから母の懐で、泣きわめくと、時にカラシ茄子を口に咬ませると、
とても霊験あらたかで、すぐ泣きやむ……。
 現在中国は、ちょうど泣きわめく北方の嬰児の様で、泣くのを止めさせるには、
ちょっぴり多めのカラシ茄子を咬ませれば良い。
 中国の人々は、我が北方の友人と同様、カラシを食べぬと興奮しないのだから!
 3月12日「大晩報」副刊<カラシとオリーブ>
 
訳者雑感:
 これは{参考}として掲載したものだが、1933年当時の中国が日本などに半植民地
として支配され、蹂躙されていたとき、その辛さに耐えかねて泣きわめきだした、
北方(旧満州・華北の一部)の人々に対して、「うるさい」からカラシを与えて、
黙らそうとしたものだ。泣くのを止めさせ、従順に「支配者」の「傀儡」として、
民に平穏な「奴才」生活を送らせる為の文学である、と魯迅は批判する。
    2012/11/19訳
 
 
 

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