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日夜浮かぶの翻訳雑感

魯迅の翻訳と訳者の雑感 大連、京都の随想など

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週刊「戯」編集者への書状

編集者さま:
 今日、週刊「戯」第14号を拝読。「独白」に私からの回答が得られず「遺憾」とあり、この回答は一昨日に発送したと記憶しており、病いをおして書いたもので、私としては努力したと考えておりまして、今ここで声明しますが、喜んでいただけたと思っています。
 今週号で、数枚の阿Q像を見ましたが、とても風変わりだと感じました。私の意見としては、阿Qは30歳前後で、平常な格好で、農民的な質朴さを持ち、愚鈍だが、ちょっと遊び人的な狡猾さもあり、上海には人力車夫や車を牽いている者の中から彼の影を探す事が出来るが、流れ者風ではなく、ルンペン風でもない。頭に小型のお碗帽を被せると、阿Qではなくなってしまう。私は彼にフェルトの毡帽(チャンマオ)を被らせたと記憶する。
これは黒くて半円形の帽子だが、縁は少し折り曲げて被る:上海の田舎ではまだ被っている人がいるだろう。
図がいるとの由、陳鉄耕君の刻したものが十枚あり、同封しますが不用なら返送ください。彼は広東人で、彼が用いた背景は多くは広東のです。第2、第3の2、第5、第7のこの4枚は比較的良いです:第3の1と本文は符合せず:第9は事実とかけ離れ、あの頃、どこにモーター車に乗った阿Qがいたでしょうか?これは荷車にすべきで、ある地域では板車といい、馬で引く四輪で、平時は貨物を載せます。但し、紹興にもこんな車は無く、私が使ったのは、当時の北京の状況で、私が紹興にいた時は、こんな盛大な行列は見ておりません。
 また今日の「阿Q正伝」で「小Dはきっと小董か」とありますが、そうではありません。
彼は「小同」といい、大人になったら阿Qと同じになります。とりあえず要点のみ。
あわせてご健勝を祈ります!
      魯迅拝     11月18日

訳者雑感:武田泰淳が紹興を訪問し、阿Qが被っていた「毡帽」を買って紀行文を新聞に寄せていた。私も、その数年後に紹興で買い求めて、寒い北京で被っていた。フェルトというか、なんか羊毛や動物繊維の短い糸を(長いのは衣服に仕立てる)突き固めたような感触で、けっこう分厚くて、長持ちしそうな感じがした。2年ほど冬に被っていたが転勤の際、どこかにしまいこんでしまったようで、今手元には無い。残念。
    2013/12/03記

 

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