北京天津間の大小何回かの戦で、赤狩りの為に何人死んだだろう。
執政府前の一斉射撃で請願者47人、負傷者百余人。「暴徒を扇動した」徐謙等
5人も「赤狩り」された。奉天の飛行機(張作霖軍)が北京を三度空襲し、爆弾投下で婦人二人が死に、子犬が負傷したのも「赤狩り」の結果。
北京天津間で戦死した兵士と、空爆で死んだ婦人二人と負傷の子犬が「赤」だったか否か、まだ法令が出てないので判らない。政府前で殺された47人については法令が出て、「誤殺傷」と云う。首都検察庁の公文書に「今回の請願の
趣旨は正当で不正行為は無かった」とし、国務院会議は「特段の哀悼」の意を表すという。しからば徐謙たちの率いた「暴徒」はどこへ行ったのか。彼らは護符と呪文で銃砲を避けられたのか?
要するに、狩りはなされた、そして赤はどこへ行ったのか。赤がどこへ行ったかは、さて置くとして、結局「烈士」は埋葬され徐謙等は逃亡し、三人の
ロシアの賠償金返還(検討)委員が欠員となった。6日の「京報」は「昨日
9校の教職員連合代表会議が法政大学で開かれ、査良釗主席はまず前日に返還委員会を改組し、教長の胡仁源氏への引き継ぎ状況を報告し、略云、政府は今回、外務、教育、財政の三省の事務官が委員を引き継ぐとした点に対し、同氏は絶対反対で、それは3人の人格に反対するのではなく、返還額が大変巨額だからで、中国の教育界がそれを大いにあてにしている為で…」と。
又あるニュースの題目は「五私大も返還委員会に注目」と言う。
47人の死は「中国教育界」に大変浅からぬ功をもたらした。従って、「特段の哀悼」を捧げるのを誰が良くないと言うのか!?
これから後、願わくは「中国教育界」には、己と異なる意見を持つ者に対して「ルーブル党」と呼ばわることのなきように。
4月6日
訳者雑感;
アメリカは義和団の件で清朝からの賠償金を、返還して協和病院などを作ったという。ロシアもそれにならってか、ロシア革命後、それまで清国との条約で手にしていた特権を放棄し、賠償金の返済を宣言した。日本などはどうしたのであろうか?
今回、請願の惨殺の結果、3人のロシア賠償金検討委員が欠員のなった結果、
教育関係にそのお鉢が回ることになった。これまで[改革]に執拗に反対してきた「中国教育界」のお偉方は、自分に異を唱える改革推進者を「ルーブル党」と決めつけ、ソ連から利用されていると批難してきたが、自分たちもロシアからの返還金を獲得しようと躍起になりだしたのだから、「赤狩り」の結果が、こんなことになるとは思いもよらなかった展開だろう。 2010/11/23訳
[1回]
PR