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日夜浮かぶの翻訳雑感

魯迅の翻訳と訳者の雑感 大連、京都の随想など

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記録として残す5

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 「社会日報」はこのところ「芸人のゴシップ」を載せていないが、上海の「大公報」の「本埠増刊」は「文人のゴシップ」を載せ始めた。「文」と「ゴシップ」の両者の音の差は大きく、内容もすべて「ゴシップ」とは限らず、これは正に「一代ごとに悪くなる」ものと言える。だがしばしば意外な趣のある物もある。
9月15日の「女学生の心の中の張資平」に次ぎのようなのがある:
 『恋愛小説家だが、とても聡明で品行方正な人だ。小説化のあのロマンチックな熱情からくる無責任な気風は無く、彼の聡明さと有能な点は、作家の中で彼の二番目を探すのは難しいだろう。太り気味で、背も低く、似あわない洋服を着て、丸くて黒い顔して、手にはいつも大きなカバンを持ち、貿易会社の部長の風貌だが、彼の大きなカバンの中には小切手帳でなく、恋愛小説の原稿と大学の講義のみしか入っていない』
原意は大略、彼の「聡明で品行方正」な点を書いているのだが、正しく楽群書店を開いてお金を稼いでいた頃の張資平老板(社長)の顔を描いている。最も面白いのは「手にいつも大きなカバンを持つ」が、中には「恋愛小説の原稿と大学の講義のみ」で:すべて金もうけの為の商品で、「小切手帳はない」に至っては、彼は記帳することも小切手を書く用も無いことを活写している。だから書店を閉じるとき、老板は相変わらず「丸くて黒い顔」していて、原稿を売りに来た人や印税を取りに来た作者は、カリカリしながらさえない顔なのだ。

訳者雑感:出版社の注では、張氏は作家で創造社の社員で、大量の三角恋愛小説を書いた。抗日戦争時、偽の「興亜建国運動」「文化委員会主席」となり、汪精衛偽政府の農鉱部の技正をした、云々とあり、まさに「漢奸」の典型で、それをこうして記録に残しておこうとしたのだろう。
    2015/02/01記


 

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